moonlinx

next creation and communication moonlinx magazine

HOME

  • HEADLINE
  • SELECTED EVENTS
  • SPECIAL ISSUE
  • INTERVIEW
  • VISUAL FEATURE
  • REVIEW & RECORD

HEADLINE

  • ←
  • ↑
  • →

アーティストがオフィスで制作、「アート・イン・ザ・オフィス」

Art
07/02, 2009

KEYWORD :
アート・イン・ザ・オフィス、松本力、AIT、マネックス

パブリックアートや、特定のまちで行われるアートプロジェクトなど、美術館の外でアートを体験する機会が増えている昨今だが、マネックスグループ株式会社とNPO法人のアーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト](以下、AIT)が行う「アート・イン・ザ・オフィス」もまた、アーティストがオフィスで作品を制作するという新しい試みだ。今回は、今年2回目となる「アート・イン・ザ・オフィス2009」について、マネックスグループ株式会社社長室の福井エリサさん、松浦紀之さん、NPO法人AITの肥田暁子さん、今年コンペで選ばれたアーティストの松本力さんの4名にお話を伺いながら、ユニークなアーティスト支援である「アート・イン・ザ・オフィス2009」を紹介したい。

去年の「アート・イン・ザ・オフィス2008」の受賞アーティスト坂口恭平さんによる作品「Dig-ital City(ディグ・アイタル・シティ)」。

ー「アート・イン・ザ・オフィス」というプロジェクトは、どのような経緯で始まったのでしょうか?

福井 マネックスグループ株式会社は、個人投資家向けにネット証券などの新しいサービスを提供する金融会社なのですが、社長が以前から現代アートが好きで、社内で何か行いたいと思っていたところから始まりました。そこで、アーティストのコンペなどの企画協力を、若手アーティストの支援を行うAITに依頼しました。

ープロジェクトの具体的な内容を教えて頂けますか?

肥田 これは年に1度行われるプロジェクトなのですが、コンペで選ばれたアーティストは通勤するように2週間ほどマネックスへ足を運び、社内のプレスルームにて制作し、その作品は一年間プレスルームに展示されます。プレスルームは社長がメディアから取材などを受ける場所なので、普段は若手のアーティストと繋がりのないような金融系の雑誌などに、その作品が掲載されることがあるというのが、このプロジェクトをユニークで魅力的にしています。

右からマネックスの福井エリサさん、松浦紀之さん、AITの肥田暁子さん。

ー例えば、会社で高価な作品を購入し、社内に展示するということはよくありますが、若手のアーティストが実際に社内で制作するというのは大変珍しいですね。

福井 アーティストに社内で描いて頂くことで、社員がアーティストと交流を図り、アートを知るきっかけにもなりますし、若手のアーティストの方に展示する場を提供するという目的もあります。

松浦 マネックスは証券会社ですから、殆どの社員がアートに触れる機会はありません。社員がアートに興味を持ち始めたというだけでも意味があるのではないかと思います。

プレスルーム内で制作中の「アート・イン・ザ・オフィス2009」コンペ受賞アーティストの松本力さん。

ー松本さんは、普段から、商店街や学校など、様々な現場でオリジナル映写機「絵巻物マシーン」を用いてワークショップや展示を行われているそうですね。今年2回目となる「アート・イン・ザ・オフィス2009」では、過去・現在・未来の旅をテーマとした「三囲(みめぐり)アニメーションー誰も知らない映画」というテーマで絵巻物作品を制作されていますが、この作品についてお聞かせ下さい。

松本 作品のテーマは、社員の皆さんと対話をしながら考えたもので、現在から過去、現在から未来、未来から過去という三つの旅の物語で構成されています。それぞれの物語はひとコマずつ細かく描かれ、全体として壁画を見た時に、映像的な要素を持つようになっています。後で、この絵巻物のひとコマひとコマを撮影し、繋ぎ合わせて一本のアニメーションにする予定です。

展示される「三囲(みめぐり)アニメーションー誰も知らない映画」の一部(上)と設計図(下)。プレスルームの曲面の壁に何個ものコマが展示され、カラフルな背景の上に物語が描かれる。

ー普段のワークショップや展覧会といった場ではなく、会社内で作品を制作することは、何か意識されますか?

松本 もっと若い頃だったら、自分の過去や未来の中から、会社と自分との相違点などを見出そうとしたりすると思うのです。でも、それを自分の中に探すのではなく、自分は外に広がる世界とつながっていると考えると、あまり差異はなく、普段と変わらないと思えます。いつもはこんなにきれいなところにはいませんけど(笑)。

ひとつひとつのコマに描かれる物語の構想。社員との会話によって生まれた。

ー松本さんは社員の方々との対話を作品に反映させていますが、このプロジェクトを通してアーティストと社員との間にコミュニケーションが生まれるということも面白いですね。

肥田 現代アートの一番の面白さは、作家が実際に生きていて、会話が出来るということなので、このプロジェクトはまさにその醍醐味を生かしていると言えると思います。

福井 5分でも10分でも、時間を見つけては立ち寄って、話を聞きに来る社員も多いようです。いつもと違うものを見たり、あまり話す機会のない人と話すことが、彼らにとっても刺激になっているのかなと思っています。「白昼夢という言葉を久々に聞いたよ」と言う社員もいましたね(笑)。

松本 一人の社員の方とお話ししていた時に、「ご自分のことをリリカルに話されますが、ご自分の内面に関心があるのですか」と尋ねられました。今回の作品では「時間」というものをテーマにすることで普遍性を持たせ、リリカルにならないようにしているのですが、アーティストとして色々説明する時に、リリカルな態度になってしまうことはいいのかだろうか、と思わず考えてしまいましたね。それぞれ違う考え方ではあるけれど、同じ経験や体験を持っているということが、今回の作品を作るにあたり、とても有用です。作品のテーマである「過去・現在・未来」も、自分の時間軸でもあるけれど、他の人の時間軸にも共通するものになるのではないかと思っています。

アート・イン・ザ・オフィス

2008年より始まった金融系のマネックスグループ株式会社と現代アートのプラットフォーム作りをするNPO法人アーツイニシアティヴトウキョウによる、ユニークな若手アーティスト支援プログラム。年に一度アーティストをコンペで選定し、マネックス社内、プレスルームの壁に作品を制作、展示する。2回目である「アート・イン・ザ・オフィス2009」は松本力さんが受賞し、現在マネックス社内にて制作中。

http://a-i-t.net/modules/bulletin/article.php?storyid=132&ml_lang=en


SPECIAL ISSUE

季刊を基本とした moonlinx の特集

もっと見る

+ART

文化の背景と未来を読み取るロングインタビュー

もっと見る

NotSame.

クリエイターによる紹介制リレーインタビュー

もっと見る

VISUAL FEATURE

文化や社会をきりとるビジュアル記事

もっと見る

REVIEW & RECORD

クリエイター達による商品レコメンド

もっと見る

EDITOR'S NOTE

編集スタッフがつづる、編集/制作裏話、日常

もっと見る




moonlinx Meeting 2009

パートナー

excite ism

ランキング

NEWS LETTER

moonlinxの更新情報やニュース、プロジェクトなどを配信します。