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W+K飯田昭雄に訊く「OYKOT」とストリート

Graphic
01/30, 2009

KEYWORD :
oykoto
wieden+ kennedy
グラフィティ
ストリート
ワイデン+ケネディ
飯田昭雄

昨年末に行われた、クリエイティブエージェンシー「ワイデン+ケネディ トウキョウ」の10周年を記念したイベント「OYKOT」。moonlinxでもレポートを行ったが、ワイデン+ケネディのワークスタイルや社風を知る上でも非常に興味深いものであった。この「OYKOT」を終えて、本イベントのプロデュースを行った飯田昭雄氏に話を伺った。

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―「OYKOT」が無事に終えられたとのこと、お疲れさまでした。改めて、今回の「OYKOT」のテーマを教えてください。

ワイデン+ケネディ トウキョウは社員が日本人だけでなく、アメリカ人だったり、エイジアンアメリカンだったりと人種的にもミックスカルチャーなハイブリッド感があるんですね。日本人だけの集団から見るとちょっと変わっていて、ワイデンから見る「東京」の視点というのは少し面白いところがあるんです。それに加え、僕のような、ワイデンに入る前は広告業界と全く関係なかったけれども、東京のアンダーグラウンドのストリートカルチャーコミュニティにいる人間からの視点というのもまた、一般の東京のイメージとは違ったものを持っている訳で。その二つの視点をさらに掛け合わせたハイブリッド感を表現しようとしたのが「OYKOT」でした。「OYKOT」は「TOKYO」を逆から読んだもの。つまり、この名前にもあらわれている通り、東京をストレートに表すのではなく、ワイデン+ケネディのフィルターを通して見た東京、という意味も含まれているんです。


―メイン会場となったggg(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)の壁面にあったグラフィティも日々作品が変わっていって面白かったです。

ggg でイベントが出来るというのはグラフィック界では光栄なことですし、そこで開催するだけでOKだと言う人もいると思います。でも、敢えてその銀座という一種独特なスポットに、挑戦というか、ワイデンらしいノイズを持ち込みたかったんです。これまでは、NIKEの広告制作を通して、ストリートアーティストとつながっているように見えていたのを、今回のOYKOTでは我々自身ダイレクトにつながっているというところを見せようと。そこで考えたのがgggの外壁を覆い新たな壁を作り、週代わりで計4組のアーティストにペイントしてもらうことです。道路に面したパブリックなスペースですので、築地署や中央区役所に何回も足を運んだりもしましたし、東京スタデオさんという最強の助っ人やgggスタッフの皆さんのおかげで実現する事が出来ました。

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―何故ワイデンはストリートにこだわるのでしょうか。

カルチャーを俯瞰的に見た時、根底の部分にあるストリートにいる人たちが新しいものを持ち込み、それが飛び火し広まっていく。そこにインフルエンサーと呼ばれる人がいて、そのおいしい部分をピックアップして紹介していくんですよね。一般的にはそのインフルエンサー達がカルチャーを引っ張っていくように見えるけど、実はその下で真摯に、地味だけれどもこつこつと、そしてすごくスキルをもったヤツらがいっぱいこの東京にはいる。そちらのほうに興味があるから僕らがストリートにこだわるように見えるのでしょう。いま、ストリートが一つのキーワードになってしまっていますが、あまりにも消費されしすぎて、本来の意味が失われている気がします。そういう中で、真剣にやっているアーティスト達とやることがどういうことか?常にそこへ立ち返り、半端なことはしない・・・リスクや覚悟を背負うのも仕事だと思います。だからこそ、今回のgggのミューラル(壁画)のようなインパクトあるものが出来る。その姿勢がワイデンらしさなんですよね。


―今回のイベントのもう一つの面白い試みとしては、ライブやショーなどで、社員の個人の創作活動の発表の場をワイデン+ケネディのイベントの中にいれたところだと思います。

ワイデン+ケネディは「人」ありきの会社なんです。一人一人のクリエイティビティのパワーが集まって出来上がっているところ、それこそが僕らの大きな柱であり、他のクリエイティブエージェンシーと違うところなんですね。今回のイベントでそれをどう表現したらいいのかと考えたら、様々な展示もいいけど、「人」を知ってもらうしかないと。本当に面白い人たちがたくさんいるので、かれらのクリエイティブな活動を見せることで「ワイデンにはこんな面白い人たちがいるからこんな広告を作ることができるんだ」と実感してもらえるんではないかと考えたんです。


―日本でも珍しいアートバイヤーとしての立ち位置をどうお考えになっていますか。

日本だとなかなか認知されづらいですよね。ワイデンだから成り立っているとおもいます。日本の広告制作の現場ではアートディレクターが、アーティストや作品を見つけてきたりするわけですが、そういうアーティスト・スカウティング、トレンド・リサーチといった時代の匂いを嗅ぎ取ることや、2D/グラフィック制作でのプロデューサー的役割といったことが、海外で認知されている“アートバイヤー”の立ち位置ですね。アメリカの広告業界では普通に専門職として認知されています。企業とアーティストやクリエーターの架け橋となりつつ、アートディレクターの影武者となり、クリエイティブの精度を最大限まで引き出すこと。僕の場合はなにせ現場が好きなので、「そこまでしなくても・・・」ということが好きなんです。でも、みんなが思う「そこまでしなくても・・・」ということを突き詰めると、誰にも真似出来ないぶっ飛んだことが出来るんですよね。例えば2008年の夏にNIKEと一緒にやった部活のキャンペーンではアーティストとのグラフィック制作において、そのクリエイティブの精度をあげることに命を削りました。

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「OYKOT」で飯田氏がホストをつとめた「HIPHOP最高会議」の模様


―今後ワイデン+ケネディのアートバイヤーとして飯田さんはどのような活動をしたいと考えていますか。

ただ、見た目がかっこいいとか、人がかっこいいと言っているからかっこいいとかではなく、どうしてこのアートがいいのか、という裏付けがちゃんと存在することが必要な時代だと思います。また、人とちゃんと真剣に向き合ってものをつくっていかなければならない時代だとも思っています。現在は、大量生産で、コストの安いメーカーのものが最近もてはやされている時代ですが、絶対にどこかで飽きがくるはずなんですよ。だから僕はその逆を行きたい。もっと骨太で意味のある、だけどなにかが突出したものを作っていきたい。もしかするとそれは、ノイジーだったり、ダーティーだったりするかもしれないけど、人の魂に訴えかけるようなもの。今のような空疎な時代だからこそ、そういう“アツい”ものは後々にまで残るものになるはずです。そのような取り組みをもっとしていきたいと思っています。

プロフィール

飯田昭雄

1967年生まれ。多摩美術大学建築科卒業後、出版社へ就職。キャラクターブームの火付け役となる「AMAZING CHARACHERS」「MASSIVE ACTION FIGURE」を手がける。フリーの編集者/キュレーターとして数々の書籍やエキジビションをプロデュースした後、2005年W+K TOKYO入社。グラフィティライターからスケーター、ストリートアーティストまで東京ストリートアンダーグラウンドに幅広い人脈を持つ。現在はプロデューサー/アートバイヤーとしてナイキを中心としたプロジェクトにおいて、アーティストのフィーチャーを手がける。
また、A BATHING APE の15 周年記念本(RIZZOLI 刊) の編集&アートディレクション等、東京サブカルチャーに深く関わる。趣味は温泉めぐり(特にアメリカの温泉)。

過去に手がけた仕事

・書籍/「AMAZING CHARACHERS」「MASSIVE ACTION FIGURE」「KAWS FIRST」「NEIGHBORHOOD MAG.」「別冊カドカワNIGO feat. A BATHING APE」「NAKED MGAZINE」
「A BATHING APE」(RIZZOLI刊)、「FLJ」での連載他、メディアへの寄稿多数。

・エキジビション/KAWS, STASH, FUTURA, SUE KWON, 空山基, ROCKIN’ JELLYBEAN, 内藤啓介, HYSTERIC MINI 20th aniv. Art exhibition, Bearbrick World Wide Tour, 他

ウェブサイト:

W+K TOKYO
http://www.wktokyo.jp/

OYKOT website
http://www.oykot.jp/

TOKYO.点
「TOKYO.点 / 東京.TEN」
EMI Music Japan
TOBF-5589


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