「スパングル・コール・リリ・ライン」。左から笹原清明(ギター)、大坪加奈(ボーカル)、リーダーの藤枝憲(ギター)
ライブDVD+写真集「SCLL LIVE」を8月5日にリリースした3人組、スパングル・コール・リリ・ライン(Spangle call Lilli line、以下SCLL)。エレクトロニカや音響の影響を受けつつも、柔らかく心地良いサウンドで多くの音楽ファンの心をつかんでいる彼らは、意外にも今年で11年目を迎えるベテラングループでもある。今回はメンバーの藤枝憲さん、笹原清明さん、大坪加奈氏さんの3人に、最新作やバンドのことについて語って頂いた。
—今回のこのDVDは、メンバーであり写真家としても活躍している笹原さんが撮られた写真集もセットになっていますね。このようなリリース形態は過去にもあったのでしょうか?
藤枝 以前、「68SCLL」というタイトルのライブCDとアートブックが一緒になった作品を出したことがあるんですよ。それは、音だけのライブ音源と、3人のグラフィックを収めたブックで構成された、当時3人がやりたい表現活動の一部が断片的に音楽以外の形でも入っていたんです。今回のリリースもそれに近く、笹原君の写真に100%スポットが当たっています。
—写真集も拝見しましたが、モノクロがメインの繊細でとてもおしゃれなところが印象的でした。これはスパングルのイメージに合わせて撮られたのでしょうか?
笹原 いえ、全く気にせずに撮りました。
—でもそれがこのままリリースされているということは、バンドのイメージとも合っているんですよね。
藤枝 極論を言ってしまえば、僕らがやっていること全てにおいて、もう深い意味はないと思うんです。とはいえ、直接的なメッセージではないですが、自分たちのなかでは理由はあるんです。笹原君が作品として撮っている写真自体は、スパングルのやりたい世界観の一部分でもあり、最初に写真が上がってきたのを見て、イメージ通りだと思いました。
笹原 まあ、同じグループにいる人がやっていることだからイメージから外れるわけがない、というのもありますよね。
藤枝 うん。ただ、そこに意味を付けようとしたら、それはいくらでも説明できると思うんです。だから、あくまでもこういうものを出していくこと自体にバンドのアティテュードが示されていると理解してもらえたらと。でも、こういう商品って、お店的にも売りづらいですよね、絶対(笑)。
—ライブでは、その笹原さんの写真が映像になっていますね。視覚的にも飽きない構成だと思ったのですが、このような試みは最近ですか?
藤枝 ここ2枚のアルバムのPVを、写真のスライドショーみたいにしてるんです。巷のPVの情報量が多すぎる気がして、そこは写真がスライドされていくだけの情報量くらいで良いんじゃないか、という思いもあって。その延長線上で、ライブではPVを編集してくれた映像のディレクターさんがモーショングラフィック的なものを混ぜつつ、生で映像と音と合わせてくれています。
「SCLL LIVE」の写真集に収められた笹原氏の作品
—このライブでは、サポートミュージシャンの方も大所帯ですね。その辺もやはりこだわりなどあるのでしょうか?
藤枝 こだわりというよりは、会場のキャパとその雰囲気によって、出来ることは毎回違うと思うんですよ。例えば300人くらいの小さなライブハウスだったら、そこまでの人数がステージに出演する必要もないですからね。今回のDVDに収められているライブは、まさにこういうことをやりたい時でもあったし、あの広さであの内容というのがベストだったと思いますね。サポートに関しては言えば、10年間ずっとこの形でやっている訳ではないので、その都度形は変わっているんです。今のサポートのリズム隊やピアノ、弦とかも去年から参加してもらったりしているので。
—その映像が入ることによってお客さんの反応も違ったりするのかなと思うのですが、ボーカルとして一番前にいらっしゃる大坪さんはどう感じられましたか?
大坪 これまでとは違いましたね。映像もついているし、ステージ上の人数は多いし、反応が2倍3倍になった感じでした。気持ちよかったです。
—これまでの活動を見ても、一貫したバンドイメージがあるように見えるのですが、やはり3人とも感性が似ているんでしょうか?
大坪 バラバラですね。みんな同じだったら、もっと違うものができていますね。
—それぞれから見れば、意外なものも出来上がってくるんでしょうか?
藤枝 ええ。でも、そういうものはあった方がいいと思いますね。全部コントロールできてしまうとつまらないというか、嫌だなと思うので。
—では、3人の意見がバラバラの時、それをどう切り抜けているのですか?
大坪 無理矢理まとめる(笑)。
笹原 彼(藤枝)が強引に二人を説得する(笑)。
藤枝 でもね(笑)、自分と考えが違っても「なるほどね」とか逆に「それはありえないくらい凄いな」と思うことは、全く構わないんですけど、「僕は更にその先を考えてるけどなぁ」と思うことは強引にまとめますね。
大坪 説得されるというより、ビジョンが一番あるのがやっぱり藤枝君なので、そこは経験的に従う感じですね。
—信頼があるんですね。
藤枝 まぁ、言葉で解決できることは割とコントロールできるんです。それより、リハーサルとか曲作りの段階で偶然出てきちゃう「音」とか「ニュアンス」なんかは当然コントロールできなくて。そこで「えぇ!?それ?」とか驚くことがあるわけじゃないですか。でも、そっちの方がむしろある程度自由でいいんじゃないって思いますけどね。特に最近は。
<Vol.2に続く>














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