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「Girls, Media, Home」Interview

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12/27, 2008

KEYWORD :
メディア・アート
大学生
女性

新宿ICCで、12月14日まで「Girls, Media, Home」と称するインタラクションデザインの展示会が行われていた。これはお茶の水女子大学でインタラクションデザインを研究している岩渕絵里子、辻田眸、森麻紀の 3人による、コンピュータと日常をテーマとしたエキシビションだ。新宿ICCオープンスペースで年に4回、新進のアーティストやクリエイターを取り上げる企画「エマージェンシーズ!」で、彼女達の所属するお茶の水女子大学の椎尾研究室に白羽の矢がたった。インタラクションデザインといえばビジュアルや音響がダイナミックに呼応するような芸術的作品を連想される方が多いだろう。だが、彼女達の作品は、展示室という小さな空間ではそういった派手さはない。それでも、研究者であり、普通の女の子でもある彼女達の作品は、携帯電話やパソコンなどのように画面と向き合うコンピュータではなく、生活の中に自然にとけ込んでいる未来の一端を垣間見せてくれる。
等身大の彼女達の言葉に耳を傾けてもらいたい。


girls.jpg左から森さん(修士課程)、辻田さん(博士課程)、岩渕さん(修士課程)

—はじめに、皆さんの研究テーマについて教えて下さい。

辻田 私たちの所属している椎尾研究室では、家庭など日常生活の中にコンピュータが溶け込んだときに、どんな新しい使い方やインターフェースがあるのかをテーマにインタラクションデザインの研究を行っています。

—今回の展示会のコンセプトは?

辻田 「Girls, Media, Home」ということで、衣食住やメイクアップ、恋愛など女の子の日常の視点からヒューマンインタラクションの展示をしています。

岩渕 ふだんの生活の中で、コンピュータを使うことによってもっと楽になったり、または楽しくなるようなことを見つけて作っていくという感じですね。例えば友達が化粧しているとき、鏡に近づいたり遠ざかったりするのを繰り返していて、「鏡がズームすればいいのにな。」といったようなことから、「どうやったら実現できるかな」と試行錯誤してできたのがメイクを支援してくれる鏡だったり。

mirror.jpg電脳化粧鏡:Smart Makeup Mirror | メイク箇所への自動ズーム、左右反転機能、横顔確認機能など、女性が毎日するメイクをサポートしてくれる。

—仮に発想ができても、それを実際に動くものにするのはとても難しいと思います。どのように実現しているのでしょうか?

 「どうしたら出来るんだろう」と、最初は何もわからないので先生に相談してみたりします。

岩渕 「このプログラミング言語を使ったらできるんじゃない?」「それを作りたいならこんな便利なものがあるよ」と先生が教えてくださるので、そのアイデアをもらったらあとは自力で(笑)。

辻田 実現が難しいなと思った時は、その道のスペシャリストの人にもなるべく早く相談するようにしています。

岩渕 でもどうしても現状の技術だと無理だなと思ったら、仕方ないですが、次の策を考えるしかないですね。

辻田 逆に、技術や性能が進歩して今まで出来なかったことが出来るようになったりすると、そこから新しいアイデアが生まれたりもするので、とにかく色んな人たちに相談したり話を聞いたりします。

tagtance.jpgタグタンス | タンスの中の洋服を撮影しインターネット上にアップロードすることで、買い物時等に試着している服と自分が持っている服の組み合わせを検討したりといったことに応用できる。

—今回の展示を実際に行ってみて、感じたことはありますか?

辻田 私の場合は、まず「遠距離恋愛支援システム」というのはそもそも展示室での展示に向いているのかという不安がありました。私のシステムは、単純なものなので。こちらのゴミ箱を開けると、遠距離の恋人の部屋のゴミ箱も開く、恋人が電気をつけるとこちらの電気もつくという(笑)。
このシステムは実際に遠距離恋愛をしているカップル3組に協力していただいて、3ヶ月間使ってもらったんですね。生活の中で実際に使ってみてはじめてわかる感覚というのがあるので、ただ展示しているだけでは伝わりにくい部分もあったかもしれません。

「タグタンス」に関しては、先ほど来場者を見ていたんですが、作り手が想定していない使い方をしていることがわかりました。このタンスは両方の扉を開くと、片方の扉に洋服をかけるフックがあり、もう片方の扉に埋め込まれたカメラが洋服を撮影して、写真としてインターネット上に管理してくれるというシステムです。でも、実際に使う人は、タンスの扉を両方開けることってあまりしてもらえない。片方開けて閉じて、もう片方開けてフックを見つけて洋服をかけて…。するとカメラがついている扉は閉まっているので真っ暗の写真しか撮れなかったり(笑)。ユーザーの視点ですごく考えているつもりでも、実際には想定外のことが色々起こるのですごく勉強になります。

 私の「いろどりん」はイチゴを置くと皿がイチゴ柄になるような単純なものなので使い方に困るということはありませんでしたが、実際に知らない人が見て体験するとなると、ユーザーインターフェスをもっと考えなきゃいけないなと思いました。

irodorin.jpg
いろどりん | 皿の上の食べ物を認識し、食べ物に合わせて皿やテーブルを様々に彩る。

—最後に、今後の研究活動についてお聞かせください。

 私は今、就職活動中なので就職を決めたいです(笑)。でも、あと一年あるので、自分も楽しくて、使う人も楽しくなるようなものを作ってみたいです。私は人が笑顔になっているのを見るのがすごく好きです。だから、会社に入っても人を笑顔にするようなものを作っていきたいと考えています。

岩渕 私は、来年企業に就職してしまうので、今のような研究スタイルとは違うとは思いますが、ものをつくる企業なので使いやすく、そして、使って楽しいものを作りたいですね。

辻田 すごく大きな目標としては、携帯電話やメールに代わる新しいコミュニケーションの提案をしたいと思っています。あたたかみも伝わって嬉しくなるようなシステムを作って、ゆくゆくは普及していけるようなものになればなと思います。

エマージェンシーズ!010
岩渕絵里子,辻田眸,森麻紀「Girls, Media, Home」
開催期間:2008年10月3日(金)〜12月14日(日) [展示会は終了]
開催会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
    東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
ウェブサイト:
http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2008/Openspace2008/Works/emergencies010_j.html


ユビキタス・インターフェイスについてガールズ・トーク
岩渕絵里子,辻田眸,森麻紀(エマージェンシーズ!010出品作家)
椎尾一郎(ゲスト) 中原淳(モデレーター)
http://hive.ntticc.or.jp/contents/artist_talk/20081115/

開催日時: 2008年11月15日(土)14時[イベントは終了]
開催会場: ICC 4階 特設会場
上記ウェブサイトからトークイベントの動画アーカイブを見ることができます。

岩渕絵里子,辻田眸,森麻紀
お茶の水女子大学 理学部情報科学科に在籍。人とコンピュータとの新しいインタラクションについて学んでいる。情報処理学会などで研究発表を続けるかたわら、情報処理推進機構が実施する未踏ソフトウェア創造事業に参加し、ソフトウェア開発でも活躍する。

ウェブサイト:
http://lab.siio.jp/

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