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SPECIAL COLUMN:

SXSW サウス・バイ・サウスウェスト '09 編集長レポート

SXSWが終わって

Report
03/27,2009
Author: Kozuki

en1.JPG オープニングパーティーの模様。冒頭に主宰の挨拶もある落ち着いたディナー形式。音楽にかかわらず、コンベンションにはよくある風景だ。

SXSW2009から無事帰国しました。あらためて、この見本市の総括をこの場で行いたいと思います。

SXSWの特筆すべきところは、音楽業界向けの見本市としての機能させながら、一般人も楽しむことができるフェスティバル要素も含んでいたこと。それが結果的にオースティンに落としていくお金の額を増加させ、観光事業として自治体も現地に住む人も警察も協力するというスキームが作られているのです。音楽業界人、ミュージシャン、一般人、現地の人達の誰もがWIN-WINになる。よく考えられた構造です。

en2.JPG 人気のセミナーは列を作る。
en5.JPG 業界関係者やメディアを始めとしたコンベンションの正式登録者にはこのようなラウンジが利用できる。

見本市としてのSXSW

・実践的なセミナーが並ぶ

これまででは少ししか紹介しませんでしたが、セミナーにはとても興味深くまたビジネスのことを考慮された実践的なタイトルが準備されていました。

「フェスティバル開催におけるそのリスクと得るもの」(The Risk and Rewards of Festivals)
「音楽マネージャーの戦略的スタンス」(Music Manager's Strategic Stances)
「オバマ時代のヒップホップ」(Hip Hop in the Age of Obama)
「デジタルミュージックのイノベーション」(Innovations in Digital Music)
「音楽でお金を稼ぐこと、そしてそれを続けること」(Making Money With Music AND Keeping It)

音楽の売り上げが落ちている現在、どのようにして業界を生き残らせていくのか、その知識を得るために関係者が集まり、ここで勉強していきます。しかし、考えてみれば、これは他の業界でも普通にこのようなセミナーコンベンションはあるわけで、それと同じように音楽業界ではSXSWが大規模に行っているに過ぎないのです。


・PRや契約のために動くミュージシャン

SXSWは主にアメリカでのデビューを目的にミュージシャン達がライブを行う訳ですが、そのために、ライブをする日以外にも路上などで自分たちのサンプルやフライヤーを配布したりして、PRに努めます。単にお祭り騒ぎのライブするためではなく、レーベル契約という明確な目的のためにやってきています。そのためにはシャイでいる暇はなく、千載一遇のチャンスを求めて常にPRを行っている感があります。そうすると必然的にライブでどのように自分たちを見せるべきなのかも決まって来ます。


・世界各地から集結

SXSWはアメリカのイベントですが、参加するミュージシャンは世界各地からやってきていました。
南アフリカ、スペイン、UK、アイルランド、南米、ニュージーランド、日本など。SXSWの影響力の大きさが伺い知れるとともに、これほど世界的に大きな動きであるにも関わらず、日本にあまり報道されないことが不思議でなりません。ただ、一点触れるとすればアジアの国は日本以外は見かけませんでした。韓国や台湾、タイなど日本の後を追う音楽のさかんな国々も今後参加する可能性はあります。

目的がはっきりしたイベントだからこそ、目的意識の高いミュージシャンや関係者=世の中で勝ち残っていく人々が集まる。そしてそれが成果となり、さらに見本市としてのプラットフォーム力を高めていく。この好循環が現在のSXSWを支えていると思われます。

日本のミュージシャンは海外に通じるか

en6.JPG JAPAN NITEの模様。


日本のミュージシャンにとって欧米の音楽は憧れであり、目指すものであるのは今も昔も変わらないと思います。また、洋楽ファンからすればJ-POPと呼ばれる範疇に入る音楽は洋楽の劣化版としてとらえてきた部分もあると思います。

しかし、JAPAN NITEを見る限り、それは日本の勝手な思いこみで、洋楽的であろうが、J-POPであろうが関係ないことがわかります。海外ではそんな小さな差で評価が決まるのではなく、本質的な音楽性とそれに自分の音楽を伝えるための絶対的な演奏力の高さがまず前提にあり、そこに観客を惹きつけるパフォーマンス力が勝負の分かれ目となる。これが世界における最低限の評価基準だと考えていいと思います。

ですから、日本のミュージシャンには自信を持ってもらいたいですし、同時に自分たちの音楽とその表現方法については、世界でも恥ずかしくないレベルを常に保っていけば世界に羽ばたく可能性も広がるでしょう。

en3.JPG 二日目以降、トレードショーも大人数で会場内はごったがえした

最後に

音楽の売り上げがどんどん落ちている中で、業界の仕組みをどう変えていくのか、そしてその中でミュージシャンはどう動くべきなのか。今回のレポートは、そのヒントを探るべく行ったものでした。また、世界がこれだけ見本市に熱くなっているなかで、日本にはあまりにもこの手の情報が伝わってこない。そのジレンマも解消しようと思ったのも参加の要因の一つでした。

カルチャーはビジネスに直結していくことでその裾野が広がっていきます。日本ではとかくカルチャーとビジネスを切り離して考えがちです。しかし、現実はそうではありません。産業化していくことで、そのカルチャーがまわっていく。それで生涯食べていきたいと思う人材も集まる。そういう構造があるからこそ、産業にとらわれないアナーキズムもカウンターカルチャーも個性として光り、カルチャーの多様性の一つとしてポジショニングされるわけです。

そのカルチャーのビジネス的な部分を支えているものの一つが「見本市」だと考えています。業界の関係者達がそこで出会い、ビジネスがマッチングされていく。才能あるアーティストや将来性のあるサービスはそこで見いだされていく。健全なシステムだと思います。

しかし、なぜか日本ではそれがなかなか成立しづらい。それでもデザインやアートの関係者はビジネスマッチングを目指して見本市を行っているのに、音楽では存在していないのが事実です。

そう言いながらも実際に体感してみないと分からないこともたくさんあります。SXSW自体私も初めて参加してみて、一番ショックだったのが、日本にいるだけでは絶対に分からない海外の、音楽に対する考え方とのギャップでした。特に、セミナーなどを見る限り音楽産業が普通の産業の一つとして成り立っていることに納得もさせられ、驚きもしました。それは同時に、日本にもこういった見本市開催の重要性を訴えていくべきだとも感じた瞬間でもありました。

さて、来年のSXSWはどうなるのでしょうか。moonlinxとしては、取材をするのかまだ決めてはいません。しかし、機会があれば来年はより踏み込んだレポートを行いたいと考えています。

長くなりましたが、世界の音楽情勢を知る意味でも、みなさんにはぜひSXSWに行き体感していただきたいと強調し、このレポートを締めくりたいと思います。

最終日のオースティン

Report
03/23,2009
Author: Kozuki

22日。狂喜乱舞のSXSWも本日で最後です。

実はコンベンションセンターで行われていたトレードショーはスケジュールに則り、昨日からギターメーカーやアナログレコードショップ専門のトレードショーにかわっていました。

fin01.JPG fin02.JPG fin03.JPG 上記は、WAXPOETICSというニューヨークはブルックリンからアメリカ全土に発刊されている、ブラックミュージック雑誌のスタッフと。WAXPOETICSは日本版も発刊されています。
fin04.JPG

コンベンションセンターには、トレードショー以外にはこのとおり、ほとんど人はいませんでした。最終日といってもほとんど終わりなんですね。
では、期間中盛り上がっていた、あの6th st.はどうなっているんでしょうか?

fin05.JPG 歩行者天国がなくなっている!
fin05-2.JPG 普通の街並みにもどっています。
fin05-3.JPG ごみの山。
fin06.JPG fin07.JPG JAPAN NITEのあったElysiumにいも、SXSWの痕跡はないです。
fin08.JPG 唯一演奏されていたのがここ。人がぱらぱらと集まっています。
fin09.JPG どうやら、最終日はなにもないんですね...。
fin10.JPG

というわけで最終日はレポートになっていませんでしたが(笑)、これでSXSWの現地からは終了になります。

期間中、オースティンは天候に恵まれ、とてもすごしやすい状態が続きました。オースティン自体初めてだったのですが、大変良い都市である印象です。

明日の早朝に起ちますが、次のエントリーは帰国後に行うことになると思います。その際、オースティンの街自体の詳細も触れたいと思っています。

いま、ウェブで知ったのですが、成田の空港が大変なことになっているようですね。もしかすると僕達の帰国も影響を受けるかもしれません...。


とにもかくにも、次は日本から!

グローバルとローカル

Report
03/23,2009
Author: Kozuki

21日。最終日前日、そして土曜日とあって仕事がない人たちで6th stは人であふれかえっています。

このエントリーでは、主に街を歩いている人や風景にフォーカスしてみました。

sat01.JPG © Duke Mochizki

SXSWに出演するために南アフリカからやってきたバンド「THE PARLOTONES」。

sat02.JPG 機材車。
sat03.JPG © Duke Mochizki

子供もお父さんの肩の上で盛り上がる。

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マサチューセッツから来た学生達。インディーロックが大好きで、Dinasaur Jr.がSXSWに出ることを聞きやってきたとか。

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地元のパンクバンドでギターをやっている男性。バンド名を聞きそびれましたが。

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SXSWに出演しないものの、ロス・アンジェルスから来てここでサンプルを配ってプロモーションをしているというエレクトロ・ロックポップバンド「Guild」のメンバー。

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アイルランドのオルタナティブパワーポップバンド「We should be dead」。
すごい名前だね、というと本人達は照れてました。案外名前に意味はないのかも。

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日本人も路上でパフォーマンス!「Futomomo Satisfaction」というアーティストだそう。

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セーラームーンが大好きだというSXSWのスタッフ。

sat10.JPG © Duke Mochizki

あまりにロックばかり聴いてきたので、他のジャンルも探していたら、Hide Outというカフェでアヴァンギャルド/エクスペリメンタルが、Elephat RoomというクラブでJazzが、そしてFramingo Cantinaでレゲエが演奏されている情報を入手。

すると、Elephant Roomの前でなんとチップミュージック(Chipmusic)アーティスト達と遭遇。

写真(中)がテキサスで活動中のKHONNOR、写真(右)がニューヨークに住んでいるBIT SHIFTER。彼らはYMCKともつながりが深く、特にBIT SHIFTERはニューヨークでチップミュージックのフェスティバルもオーガナイズし、東京にも来た事があるとか。

結局、彼らと一緒にElephant Roomに入ったので、ジャズのライブは見ることができず、ほぼチップミュージックやエレクトロ・ミュージックの話で終わってしまいました。

チップミュージックをはじめとした先端の音楽では日本と世界はつながっており、必然的にテクノロジー都市・東京には憧れが生まれるようです。話はKraftwerk、DEVO、YMO、そして最後は大統領オバマや日本の歴史にまで話が広がりました。

まさかこんなところでチップミュージックのアーティスト達と仲良くなるとは思ってもいませんでしたがこれも、世界的な音楽見本市だからこそ起こりえることでしょう。

この音楽については、moonlinxの別の機会に取り上げたいと思っています。

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明日が最終日で、今晩がもっとも盛り上がるということで、昨日までよりもはるかに多い路上ライブが行われています。

この路上の騒ぎ振りを道端に座りながら黙って見つめる地元の年配の方に話を伺ったところによると、昨年よりも来場者の数は増えているとのことです。

「こんな無茶なイベントを許してしまうほど、テキサスは寛容な街なんだよ(笑)。ここに来る人たちがオースティンにお金をいっぱい落としていってくれる。いいビジネスだよね。しかも、このご時世でも元気を与えてくれる。事実ここに来る人はみんなハッピーな顔しているだろ?」

たしかに。ここにいると、アメリカの深刻な経済状況は本当なのかと疑ってしまいます。

sat12.JPG © Duke Mochizki
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Framingo Cantinaでは、カリブ海のバルバドス島から来た、オルタナティブ・ルーツ・ロック・レゲエのアーティストDavid Kirtonのライブ。

彼は、バルバドス島の有名人で、数々の賞を獲っています。

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sat15.JPG © Duke Mochizki

David Kirtonの後はSubrosa Unionという地元オースティンのレゲエバンドが登場。地元の人たちが身にきたのか、彼らの出番になると入場者がいきなり増加。

SXSWに来た当初、気になっていたのは、オースティンは白人がとても多いということでした。ヒスパニック系二割くらい、そして、黒人の割合は少なく、エイジアンになるとほとんど見かけません。

ですが、金曜日の深夜から黒人を多く見かけるようになりました。ただ、ロックのライブ会場には当然かもしれませんが、黒人はほとんどおらず、逆にこういったレゲエやヒップホップになると入場者の5割くらいが黒人になります。白人はカップルで来ている人が多く、みんな演奏にうっとりしているようでした。

ゆるい雰囲気でいるとこれまでの疲れが出てきたのか、眠気が...。

sat16.JPG © Duke Mochizki
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JAPAN NITEも二日目ということですが、会場の外も人であふれています。

sat18.JPG © Duke Mochizki

6th Stは、深夜でこの状態。クライマックスです。

sat19.JPG © Duke Mochizki

カリブ系のパーカッションライブが路上ではじまりました。そこに一般の女性がレゲエのダンスを踊り始めたり、打楽器をもっているミュージシャンもそこに加わったりとどんどん規模がおおきくなっていきます。観客はみなトライバルなビートに酔いしれているようでした。

このように土曜日になると、白人音楽だけではなく、黒人音楽をはじめとしたワールドミュージックライブが特に路上では多く見られるようになりました。

ずっと爆音だと疲れるというのもあって観客もそちらに流れることもあるでしょうし、時間が取れる土曜日に地元のミュージシャンが演奏するということもあるのでしょう。

ローカル度が強まると同時に、世界各地から来ているミュージシャンもどんどん集結。グローバルとローカルという一見相反する事象もSXSWではすべて包含してしまうのが面白いところです。

sat20.JPG © Duke Mochizki
sat21.JPG © Duke Mochizki

テレビ中継も入ります。放送局はわかりませんでした。

もはや見本市から街全体のお祭りになっている感。そのお祭りは夜遅くまで続くのでした。

明日はいよいよSXSWの最終日になります。オースティンからのレポートも最後になるでしょう。

JAPAN NITE―日本の音楽の最高のフォーマット

Report
03/22,2009
Author: Kozuki

jn-01.JPG © Duke Mochizki
moonlinx Headlineでも取り上げたSXSW ASIAによる日本の音楽のショーケース「JAPAN NITE」が3月20日20:00からライブハウスElysiumで全二日間の日程でスタートしました。 JAPAN NITEはSXSWでももっとも集客のあるイベントのひとつであり、クオリティの高さも筆頭に 挙げられるほど、完成度の高いショーケースです。 そうは言うれてもあまりぴんと来ないかもしれませんが、実際にこのJAPAN NITEを体感すると、このイベントの意義の高さを認識するだけでなく、日本国内にいるだけでは起こりえない、固定概念の覆りが発生します。
tabloidSIZE_SXSW2009.jpg © Duke Mochizki
一日目はアメリカですでに人気を得ている「Detroit7」を大トリに、日本で有名な「GRAPE VINE」が登場。その前のラインナップとして他のインディーバンドが4組。SXSWはロックバンドの出演が非常に多いのですが、その影響か、このショーケースもロックバンド達がパフォーマンスを行います。
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沖縄の女性5人組バンド「FLIP」が一番最初のアクトを行いました。

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トップバッターの彼女達のプレイによってJAPAN NITEを通したオーディエンスのボルテージがスムーズに上がっていくのか決まると思うのですが、アグレッシブなロックサウンドと高いパフォーマンス力で、会場はいきなり盛り上がりました。一曲ごとの展開も非常に工夫されており、高いクオリティ。まあ、海外でプレイするのですからその辺は当たり前なんですが。

途中のMCでは、沖縄のさとうきび飴を日本のお土産として配って、それにアメリカ人たちが群がるというおもしろい光景も。

イベントを通しての観客の割合は9割アメリカ人(特に白人系)、1割日本人といったところでしょうか。

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二組目は宇都宮を拠点としながら都内でもライブを行っている男性四人組「Dirty Old Men」。 純日本のポップなメロディーラインを主体としたギターポップ。 「I say "dirty." You say "old men!"」 ギターボーカルがあおって観客にパフォーマンスに参加させる。日本でもよく見られる手法ですが、海外でももちろん有効です。
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大阪の女性5人組「Honey Sac」。ロックポップサウンドの上に歌謡曲的なメロディラインに乗せたいわゆる"日本的"なバンド。 はじめてアメリカでライブをするというにもかかわらず、彼女達のパフォーマンスはすばらしかったのです。
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ボーカルの観客への煽りがとてもうまい。がんがんいきます。そこに観客もどんどん乗っていきます。観客の声が小さければ大きくなるまで何度も言わせます。観客をどう味方につけるか。ここも海外で評価を高める大きなポイントになるでしょう。自分達の音楽に自信を持ち、なおかつ会場を自分のものにする。そういう意味でバンドのフロントマンのパフォーマンスが重要になります。 少なくとも彼女達はそれに成功しました。
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福岡出身の4人組バンド「SPARTA LOCALS」。ポストパンクにニューウェーブの影響を受けながらも、ファンキーなサウンドを繰り出すバンドです。 Honey Sacが相当盛り上げたのであとがどうなるのかちょっと心配でしたが、ボーカルがトリッキーなパフォーマンスでうまく観客を取り込みました。 女性バンドとは違う、男っぽいヘヴィなサウンドもあり、それが観客にはうけていました。 このJAPAN NITEに入る客はいったいどのような人達なのか。最初は、やはり日本のアニメや原宿文化に興味がある人たちなのかと思いましたが、それは逆に少数かもしれません。そもそも「どロック」が好きそうな男性客も多く、単なるジャパンカルチャーフリークというだけで来ているのではなさそうです。(中にはコスプレしているアメリカ人の女性もいましたが。)
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GRAPEVINE」です。 SXSWでは、メジャーアーティストもインディーバンドもまったく同じ条件で戦わねばなりません。 しかし、すべての曲の完成度は見事でした。 残念なのは、プログレ的ですごくかっこいい曲があったのですが、その演奏の前に「Next song is like a King Crimson.」って言っちゃったところでしょうか。海外は真似事を好まないので、「like ~」は敬遠されます。それでもその曲の後は盛大な拍手が贈られていたのでさすがでした。 そして大トリです。
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すでにアメリカで人気を獲得している「Detroit7」。 スリーピースバンドで女性のギターボーカルとドラム、そして男性ベースからなります。 サウンドは、ハードコアでしょうか。 パワードラムとドライブ感のあるベースの上にノイジーなギターが入るかたち。どれもアップテンポで曲の構成もよく考えられています。メルトバナナが海外でウケているのと似ているような気がします。 このエントリー記事の冒頭にも掲載しましたが、とにかく盛り上がりが半端ではない!さすが大トリです。全米ツアーを何度もやっていることもあり、アメリカ人相手のライブは慣れている様子。 また、ノリ良い曲が多いバンドは観客も盛り上がるためにアドバンテージが大きいと思われます。 日本のハードコアやメロコア系はHi-StandardやCharcoal Filterをはじめとして海外でも受け入れられています。Detroit7もその流れなのでしょう。 彼女達は、翌日も別の場所でライブを行います。その後JAPAN NITE自体の全米ツアーに合流もしつつ、他の会場でもライブを行うようです。JAPAN NITEの直前には一時帰国し日本の下北沢でのライブ行っています。このように、海外進出を狙うアーティストは徹底した連日転地のツアーを行えるかどうか、そこがポイントになります。 Detroit7は、結局群を抜く圧倒的なパフォーマンスと演奏力によりアンコールでさらに一曲をプレイ、そのままJAPAN NITEの一日目は終わりました。もちろん、大盛況でした。
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© Duke Mochizki

さきほどのHoney Sacが気になったので、簡単に彼女達に話を聞きました。SXSWには、所属している事務所の社長が応募したそうです。まさか自分達がここでプレイできるとは思っていなかったようです。(SXSWに出演するには、アメリカ本国の事務局の審査を通らねばならない。)

なぜこれほどまでにウケたのか?

ボーカルの言葉が印象的でした。
「最初から自分達の曲に自信がありました。」

一見普通の女の子に見えるんですがね~。大したものだとおもいます。しかしそれが正解だと思います。自分達の曲に絶対の自信があり、さらにそれを超えたパフォーマンスを行うこと。これにつきるでしょう。


今回のJAPAN NITEに出演したバンドに共通するものは演奏力の高さが、まず大前提に挙げられます。ヘタウマではありません。

また、歌謡曲的であろうが洋楽的であろうがそれは関係なく、オリジナルな音楽性であるかどうかということ。

そして、観客を味方にする、そして自分達の魅力を伝えるためのパフォーマンス力。

この三点が海外のオーディエンスを味方にするキーポイントだと考えられます。

あと、さらに付け加えるなら、女性のほうが比較的人気が高い印象がありました。これは、日本の線の細い、身長もそれほど高くない女の子がびっくりするようなパフォーマンスを行うギャップや、日本のアニメを彼女達に投影する心理もあるような気がします。

JAPAN NITEは日本の音楽をプレゼンする最高のフォーマットであり、日本のバンドサウンドのクオリティの高さを凝縮したものと言えるでしょう。

そのためか、毎回SXSW事務局からはJAPAN NITEの会場は現地の最高レベルのライブスペースを用意してもらえるそうです。確かに、今回も音質も音のバランスも凄くよく、各バンドは気持ちよく演奏できたんではないでしょうか。このイベントを統括するSXSW ASIAの手腕にも拍手を送りたいと思います。


また、音楽関係者のみならず、カルチャー関係者の方々はこのSXSWとJAPAN NITEをご覧になり、生の海外の反応を知ることをおすすめします。

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クインシー・ジョーンズ、DEVOその他

Report
03/21,2009
Author: Kozuki

quincy02.jpg © Duke Mochizki

アメリカを代表するプロデューサークインシー・ジョーンズのキーノート(基調講演)が3月19日にコンベンションセンターで行われました。主に彼の音楽活動の紹介でもありますが、アリシア・キーズ、U2のボノやウィル・スミスなどからも彼への賛辞コメントが映像で映し出され、また、マイケル・ジャクソンとの話なども彼ならではのユーモアを織り交ぜて、会場を沸かせました。

写真撮影が厳しく制限されていたので他のショットはありませんが、興味深かったのは、彼がオーガナイズする音楽フェスティバルでした。イスラエル、オーストラリア、アフリカ、イラク、アメリカ本国など、世界各地の優れたミュージシャンを、政治問題・人種など関係なく出演させるこのコンセプトは会場からも拍手が巻き起こっていました。

ただ、彼の講演は2時間以上にもおよび、疲れたオーディエンスが途中で続々と退出していく事態に。

彼が冗談交じりで「そこの坊や達、まだ帰るなよー。」と声をかける場面もありました。

このように、SXSWでは、ライブやトレードショーのほかに、セミナーなどが期間中50以上開催されます。あるレーベルが持ち込むデモ音源をみんなで視聴するセミナーや、新しい音楽ビジネスのあり方を探るセミナーなど、多数存在します。

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1970年代後半から活躍したアメリカのニューウェーブの代表的バンド「ディーヴォ」(DEVO)の記者会見です。

今回、ディーヴォもSXSWの目玉としてライブを行いました。その直前の記者会見です。
質疑は主に、現在のテクノロジーについて、ディーヴォの見解を聞くというもの。かつて打ち込みで最先端のテクノロジーを使用していたディーヴォはいまもその進化に果たしてついていっているのか?!という記者の容赦ないつっこみに、ディーヴォたちも、のらりくらりと回答する、という流れ。
ナイン・インチ・ネイルズやレディオ・ヘッド、エイフェックス・ツインの話題にも触れながら、記者を適当にあしらう回答で会場は爆笑していました。

まあ、もうおじいさんですから。ついていっていないこともあるでしょう。

さて、場面はかわり、ショーケースです。

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ダウンタウンからすこしはなれた地域にLEVISと雑誌FADERとのコラボレーションショーケースがあります。

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イギリスの若手ニューレイブバンド、レイト・オブ・ザ・ピア (Late of the Pier) のライブ。
ハドーケン!やジャスティスなどのサポートアクトを行っています。昨年のサマソニにも出演。

今回は、ライブをはじめてまもなく、ミックスの調子が悪かったらしく一旦中止する羽目に。
再度メンテしてからの登場でしたが、オーディエンスのノリは途切れてしまっていたので、ちょっとかわいそうだったかな?

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深夜も人の多さは変わりません。というか増えてます(笑)。

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路上でもライブがはじまりました。

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アメリカのミクスチャーバンド3Oh!3のライブがStubb'sでやっていました。
白人のツインMCの掛け合いと、ヒップホップビート、そこにロック的な要素をいれたパーティーチューンが売り物。すでにアメリカ国内では話題になっているらしく、たくさんの人が入場。

白人MCブームも終わったのかと思いきや、まだこの流れはあるんですね。しかも、黒人の発音に似せているところも数年前からの潮流と一緒。2000年も次の10年にはいる現在、もっと次のレベルにいってもいいような気はしました。

どちらにせよ、このバンドはアメリカでもっと売れるでしょう。キャッチーなメロディですので、日本でもウケると思います。輸入される可能性大。

その他のアーティストも簡単に紹介していきます。

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アイリッシュパブBD Riley'sでは、スイスのおしゃれバンドChoo Choo The Train。60年代風でいながらポップでソウルなガレージバンド。Nordleadを操る女性がおしゃれなのにパワフルなパフォーマンスがセールスポイントでしょうか。非常にクオリティの高いバンドだと思います。

mark.JPG © Duke Mochizki

RADIO ROOMというライブスペースから二組紹介します。

バスドラム一つをセットしながらボーカルをとるMark Sultan。ギターとベースをサポートに登場です。彼は、バスドラのビートをあえて緩めたり早くしたりしてバンドの演奏に緊張感を与えます。そこに変幻自在にエフェクターを使いながらギターサウンドを乗せていくスタイル。まさにアンダーグラウンド・サイケデリアですが大変面白いユニークなサウンドでした。
音楽の多様性は、人類の価値観の多様性の表れだと思います。そういう意味でも、彼らのような音楽は生き残っていってほしいと思います。

daniel.JPG © Duke Mochizki

アメリカはケンタッキー出身のシンガー・ソングライターDaniel Martin Moore。非常に素朴で善良なダウンテンポカントリーサウンドなのですが、構成されている音が一筋縄ではいきません。
サポートミュージシャンが持つ楽器がユニーク。
マンドリンを抱えていたり、ヴィオラがでてきたりと規定外のバンド。しかし、これがなんとものどかな音を奏でるのがとても興味深かったです。

ライブが行われているのはこれだけではありません。数十もの店のなかで同時に行われています。
良いアーティストに出会えるかはタイミング。面白いですね。


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