

その他
11/18,2008

2008年の東京のデザインウィークが終わった。
TOKYO DESIGNER'S WEEKのお祭り感とDESIGNTIDE TOKYOのストイックさが対照的であった。コンセプトの拡大を図る前者とコンセプトの集中をはかる後者。その対比がいつも以上に色濃く出た年ではなかったか。
統計を取ったわけではないが、TOKYO DESIGNER'S WEEKはさらなる拡大を図ったせいか、昨年までには見られなかった客層が来場していたような印象を得た。これは、デザインフリークだけではない、一般層にまでリーチして来ている証拠だと感じている。(そのせいか、100%Designの入り口付近で座り込んで雑談している人々のマナーの悪さは残念だ。来年はこの辺を解消してもらいたい。)TOKYO DESIGNER'S WEEKの「デザイン」を伝える役割は大きなものになりつつある。
かたやDESIGNTIDE TOKYOはどちらかというとデザインの玄人達が集まっている。その分凝縮されたプロダクトやインテリアが展示され、「デザイン」のエッセンスのメッセージ化につとめていた感がある。こちらも「本当のデザイン」の哲学を伝える、東京のデザインの最後の牙城とも言うべき大きな使命を背負いつつある。双方とも様々な人たちの思いを受けて、もはや単なる「イベント」ではなくなってきているのだ。今年は以前よりもトレードショーとしての機能が意識されたようにも思えたが、世界中のバイヤーやコーディネーターにとって、日本のデザインが地位向上するためには、その辺はさらに強化していくことが必要だろう。

また、二つのイベントの影響が「デザイン」という単一ジャンルで収まらなくなってきている印象も得た。この時期に合わせてアートイベントや音楽イベントも開催されるようになってきており、それらは明らかに世界中の文化人が東京に集まってくるこの秋の状況を意識しているに他ならない。数年後、秋の東京はデザインだけではない、カルチャーウィークとなってくる可能性が高い。故に今後もなお一層、それぞれのイベントが自分たちの特徴をどう出していくのかが焦点となってくる。
その意味でも来年の東京の秋はもっと熱くなることを願いながら、このTOKYO DESIGN REPORT 2008を終えたいと思う。
六本木/赤坂
11/10,2008
METAHO/DESIGNTIDE

METAHOは、石川県金沢市で立ち上がったメタルプロダクトのブランドだ。従来は製作が困難だった金属の曲げ加工を、3次元ベンダーと呼ばれる装置によって美しくも暖かく仕上げているのが特徴。伝統工芸が息づく金沢で、先端技術と職人の業を融合させ、新たな金属の可能性を模索している。

金属を曲げるという作業は、デザイナーや一般の人が考えていることよりもはるかに難しい。単純に金属を曲げると内側にはしわが寄り、外側にはヒビが入る。専門の職人でも難しく骨の折れるこの曲げ加工を、川崎和男氏の車イスなどを製作したことで知られるシグワークショップに委託。さらに細かな調整や表面の仕上げなどを職人とともに追求している。
廃材から取り出した革や布を使ったスツールやベンチは、美しさの中にユーモラスを感じられる作品となっている。

METAHO
http://www.metaho.com/
(文・写真:高荷隆文)
六本木/赤坂
11/10,2008
Pompelmo/DESIGNTIDE

ヴィジュアルコミュニケーション、インタラクティブ、プロダクト、ファニチャーなど様々な分野で活躍する松田卓也氏と藤元明氏によるユニットPompelmo。今回彼らが注目したのは「斧」だ。一本の木から作られたという滑らかな斧が壁に刺さり、コートや帽子掛けとしての機能を果たしている。

斧は産業革命以前では日常の道具であったが、今となってはむしろ不気味さを感じさせるほど非日常な道具。彼らの作品には、機能性、不気味さ、そして、斧をコートハンガーとして使用するという面白さが兼ね備えられていた。
Pompelmo
http://www.pompelmo.jp/
(文:山内聡子 写真:高荷隆文)
その他
11/10,2008
treasured trash/DESIGNTIDE EXTENSION
後藤寿和氏と池田史子氏によるクリエイティブユニット、gift_と、佐藤直樹氏率いるASYLのタッグにより2006年に始動したプロジェクト、 treasured trash。
「持続可能な未来への自覚と実践を伴ったクリエイティビティをパブリックに発信」していくことを目的に、現在ではタナカカツキ氏や森本千絵氏をはじめ多くのメンバーが賛同している。
今回は丸の内・新丸ビルにおいて、カナリアのクリエイティブディレクター/アートディレクター徳田祐司氏による「SEE YOU AGAIN!」の新作が発表された。この「SEE YOU AGAIN!」は、「捨てるという行為が最後の別れではない」というメッセージが込められたワード。リアルなゴミ箱の上にポップなグラフィックをあしらったインスタレーションは、シンプルな表現の中にも強いメッセージが込められた作品だ。
日本のみならず、世界を拠点に活動を続けるtreasured trash。彼らが発信する「エコ」をテーマにしたコミュニケーションデザインの在り方を、今後も見届けていきたい。
treasured trash
http://www.treasured-trash.org/
(文:恵美奈保子 写真:高島臣平)
六本木/赤坂
11/10,2008
Link/DESIGNTIDE EXTENSION

西麻布のCALM & PUNK GALLERYでは、東北芸術工科大学大学院の有志によって結成されたユニット、Linkによるグループ展示が行われていた。Designersblock Londonやミラノサローネへの出展経験のあるメンバーを含め10名のクリエイターが参加しているとのことで、各自の瑞々しい才能を堪能することができた。
松野奈帆氏の作品は、1つのキューブとして整頓できるという6脚のチェア。「セットにすれば持ち運びにも便利」という優れた機能性に加え、積み木やパズルをほうふつさせる遊び心満点の発想、そしてシンプルながらも柔らかな表情がいい。


山田慎一郎氏の作品は、植物の維管束の構成に着目して生み出されたクッション。縦からの力に非常に強いというパイプ状のパターンを取り入れた本作は、何と手洗いもOKとのこと。天気の休日に、芝生の上で使ってみたくなる逸品だ。

いずれのクリエイターも在学中とのことだが、その真摯な姿勢とアクティブな取り組みに今後の展開が本当に楽しみ。拠点とする山形から今後はどんな作品が生まれていくのか、ぜひチェックしていただきたい。
Link
http://www.link-design.org/
(文:恵美奈保子 写真:kuranami)

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