
その他
六本木・赤坂
11/03,2009
今年、創業100年を迎えた老舗ガラス店、三保谷硝子。アクシスギャラリーでは、その長きに渡る歴史を記念して、三保谷硝子とクリエイターたちによる展示会を開催している。
本展では、彼らと縁の深いクリエイターたちが、三保谷硝子の技術とガラスを使った新しい表現に挑戦。出展者には吉岡徳仁、橋本夕紀夫、トラフ建築設計事務所など錚々たる顔ぶれが並んでいる。
倉俣史郎によるガラスのいす「ルミナスチェア」。当時画期的だったであろうこの美しい曲線を実現した三保谷硝子の技術力に今更ながら驚くばかりだ。
三保谷硝子がデザイン、建築、アートの世界に大きく踏み出したきっかけが倉俣史郎との出会いだったという。会場には、さまざまなクリエイターとの交流の歴史が年表という形で壁面に大きく書かれている。
吉岡徳仁「Snow Flake -雪の結晶」。吉岡氏は、廃棄された工業用ガラスを再度プロダクトとして作り上げた。すべてをデザインするのではなく、ある部分は自然の現象に任せてしまう氏のスタイルが確立されつつあることを、この模様がおりなす美しさが物語っている。
今回の展示会が有意義であった点は、デザイナーたちと三保谷硝子が並列に扱われていたところだろう。昨今、「デザイナーが職人を助ける」という関係ばかりがメディアでも強調されてきたが、本来それが不健全なのは言うまでもない。しかし、ここでは互いが敬意を表しながら保たれている良質な関係を垣間見ることができる。
海藤春樹「navel」。通常ヒビはネガティブなニュアンスを持つが、ここではプロダクトに美しさを加味させる逆の効果として使用されている。
ガラスはいまや人間にもっとも身近な素材の一つとなっているものの、それ故に重要性を感じることは少ない。しかし、このように多種多様な作品が並ぶと、ガラスが大切な日用品であり、且つ芸術性を秘めた素材であることをわたしたちは再認識する。また、今回のように一つの素材を扱うというシンプルなテーマの展示会は、ともすれば退屈でメリハリのない内容になりがちなのも事実。だが、デザイナーたちの際限ないアイデア、そして三保谷硝子の飽くなき新技術への挑戦が、それを防ぎ、本展をたいへん魅力的なものにしている。
三保谷硝子店 101年の試作展
アクシス・ギャラリー
東京都港区六本木5-17-1
http://www.axisinc.co.jp/
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